Hotel Royal

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前の記事で「書くことが好きだ」と言いましたが、それと同じくらい「読むこと」も好きです。
今日、芥川賞と直木賞の受賞者が発表されました。
毎年気にしているわけではないのですが、たまたま受賞者についてのニュースを読んで、ぜひ読んでみたいなと思いました。
 
なぜなら、直木賞受賞の桜木紫乃さんは私と同じく釧路市出身で現在も北海道在住の方だから。
受賞作の『ホテルローヤル』は彼女の実家であるラブホテルを舞台にした小説で
彼女の作品は北海道を舞台にしたものが多いようです。
 
受賞会見の中で
「私は道東で育って、そこは本当に夏でも冬でもプラスマイナス20度の世界なんです。」と言っていて「そうそう!」とうなずいてしまいました。
自分が育った場所が小説の舞台になって、小説の中に知っている場所がでてくるとすごくうれしくなります。
桜木さんも子どものころに読んだ本の中に、自分の知っている道、図書館、公民館が出てきて、自分の生まれた土地が物語の舞台になっていることに面白さにを感じ、小説に興味を持ったんだとか。
「読んだ後にその場所に行くと架空の人物がそこにいるように感じられる。」とも言っていて、私も同じよう感じているので、ますます彼女が描く北海道に生きる人たちの物語を読んでみたくなりました。
 
私の一番のお気に入りは佐藤多佳子の『黄色い目の魚』という本です。
高校生の時、雑誌でこの本の数行が紹介されていて、そのたったの数行にすごくひかれて買いました。
帯に書かれていた「16歳だった、すべての人へ」という言葉も、まさにその年齢だった私に強い印象を与えてくれました。
鎌倉を舞台にした16歳の少女と少年の物語で、鎌倉の地名がたくさんでてきます。
その当時は鎌倉に行ったこともなければ、街並みすらもわからない私でしたが、小説を読みながら自分の中でたくさん想像をふくらませました。
3年後に横浜の大学に進学して、鎌倉へすごく簡単にいける場所に住むことになった私は
本との出逢いや、横浜の大学に行くことになったことはきっとで繋がっているんだ不思議な縁を感じました。
鎌倉を一通り散策して、たくさんの場所を知ったあとに、あらためてこの本を読み返して
「これはあそこか!」「こういう風景だったのか」と、前とは違う楽しさを感じたのを覚えています。
 
『ホテルローヤル』読んでみようと思います。
iPadがあるんだから、電子書籍を試してみるのもいいんだけれど
この物語はやっぱり「本」として手にしたいなと思います。
 

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